「ガールズ&パンツァー 最終章」 スタッフトークショー付上映会

2018.01.09 に新宿バルト9 で行われた「ガールズ&パンツァー 最終章」スタッフトークショー付上映会に参加してきました。
順番は忘れてしまったので、登壇者毎に話されたことを覚えている範囲でメモ。

鈴木貴昭さん

BC 自由学園が選ばれた理由

自国で戦車を作っている国は少なく、まだ登場していない国としてフランスが候補となった。
フランスをモチーフにした学校はマジノ女学園とBC自由学園があった。
マジノ女学院は才谷屋さんのコミック「激闘! マジノ戦ですっ!!」で描いている。
BC 自由学園は野上さんの「リボンの武者」に登場しているが、本編ではない? という事で BC 自由学園が選ばれた。
(おそらく、主人公がみほたち大洗女子ではないという意味合い)

マーク IV 戦車が選ばれた理由

大洗の八九式中戦車より弱い戦車を出したいという監督の意向から。
また、大洗女子には船舶科があるが、そこの生徒が出ていなかった。
船舶科の生徒が乗るなら、陸上戦艦の系譜の菱形戦車がいいという事になった。

岡部いさくさん

イギリス好きで知られるが、フランス文学科卒。
最後に BC 自由学園が歌う「La chanson de l'oignon(玉葱の歌)」を聞いた時は、フランス語ならではの格変化などを思い出してしまい耳を塞ぎたくなった。
最終章を見終わって 20 分くらい経ってから BC 自由学園の名前の由来がヴィシー政権と自由フランスである事に気付いた。
ヴィシーは Vichy なので BC ではなく VC の方が適当だが、敢えて BC にしてる。分かり辛かったら申し訳ありませんでしたと杉山 P から謝罪。

田村尚也さん

ポーランドの戦車博物館への取材は一人で行った。
実際にルノー FT に搭乗したが、かなり人間工学を考えた設計になっていた。
浅く腰掛けて足を伸ばすような感じの姿勢になり、楽だった。
一方で、となりにあったソ連の戦車は体育座りで前かがみにならないといけない為、乗っているだけで体力が削られていくようなもので、戦車に体を合わせろというのを感じた。

斎木伸生さん

出番は少ないけど(隣の吉川さんを意識して)アンツィオより多く出ているので満足とか。

サウナについて

継続高校が入っているサウナはフィンランド大使館にあるものがモデル。
フィンランド人はサウナがないとしんじゃうとかなんとか。

ソミュール戦車博物館

取材では館長に協力してもらい、ハッチを全部開けてもらったり、登場人物の目線での撮影を 360 度カメラで行ったりする事ができた。
館長はフランス人なのに英語で会話してくれて、そのお陰でスムースにコミュニケーションが取れた。
最終章のソミュア S35 はハッチの部分が座れるようにスライドして動く部分を再現しており、注目ポイント。
但し、取材では館長が必死に開けようとしてくれたが、残念ながら動かなかったとの事。
ガルパンという事で底面の写真もしっかり撮影した。

吉川和篤さん

アンツィオの生徒らが試合前にまたまた眠りこけているカットは 1 秒 12 コマ(1.5秒)しかない。
が、ランチアのなんとかとか独特なドラム缶とか、イタリア由来のものが多く登場しており監修に三ヶ月かかったとの事(もちろん工数ではなくスケジュールの話)。
結果、完成したのはかなり終盤のタイミングだったが、その間進捗を確認するメールを頻繁に送っていた(返信は、未着手、というものが多かった模様)。
左右非対称の車(?)の描くべき面が逆になっていたり、もともと寝息を立てて上下に動いていたペパロニを、そこに目が行ってしまうという理由であえて止めるようにするなどの修正が行われた。
つまり、 1 秒 12 コマに「吉川袋」がたくさんあった、と杉山 P。

モリナガヨウさん

初参加について

参加していることが知られてしまうと最終章に登場する戦車が推測されてしまう可能性があった為、一年半ほど口外出来なかったのが辛かった。
また、吉川さんの仕事ぶり(大量の修正指示)を見て、同じことはできないと思っていたが、気付いたらマーク IV でやっていた。
関わってしまったのでもう逃げられない、と杉山 P。

マーク IV について

マーク IV は 12 歳の頃に興味を持ち、本を読んで文章から中がどうなっているのか等、想像していた。

イラストと動画の違いについて

イラストではマーク IV は砲塔もなく見せ方のバリエーションが少なくて大変。
動画だと正面から進んできて斜めに見栄を切って止まるような見せ方ができた。(おそらくマーク IV の登場シーン)